一等無人航空機操縦士の取得によって受注可能になる、あるいは受注確率が大幅に上がる業務分野と、その現場単価・発注相場を整理しました。
1. 都市部・インフラ密集地での点検業務
第三者の立ち入りを完全に遮断できない市街地、橋梁、送電鉄塔、高架橋などの点検です。二等では立入管理区画の設定が困難な環境でも、一等のカテゴリーIII体制(または個別審査を伴う高度飛行)により対応範囲が広がります。
- 主な案件例
- 都市部の橋梁・高架下部・橋脚の近接目視点検
- ビル街・住宅密集地に隣接するプラント設備や大型構造物の点検
- 通行止めが困難な幹線道路・鉄道沿線のインフラ設備調査
- 受注・発注単価相場
- 日当(パイロット派遣・安全管理者含む): 8万〜20万円/日
- 業務一括請負(調査設計・撮影・一次報告書作成): 30万〜100万円/現場(規模や点検対象の基数による)
2. 公共測量および自治体・ゼネコン発注の土木測量
i-Construction(国交省基準)のICT土木現場や公共測量案件です。入札要件や仕様書の特記仕様書において「一等保持者の従事」が加点対象または必須要件として設定されるケースが増加しています。
- 主な案件例
- 自治体発注の道路新設・河川改修に伴うUAV写真測量・レーザー測量
- 市街地隣接エリアにおける起工測量・出来形測量
- 災害発生直後の立ち入り困難区域における状況把握測量
- 受注・発注単価相場
- UAV写真測量(SfM解析・点群納品含む): 20万〜50万円/現場(1ha〜数ha目安) APEX株式会社
- UAVレーザー測量(LiDAR計測・解析含む): 50万〜150万円/現場 APEX株式会社
- パイロット単体派遣(オペレーター委託): 7万〜15万円/日
3. 都市型・第三者上空を伴うプロモーション空撮
二等では「補助者を配置して第三者の立ち入りを排除する」必要があります。しかし、街並み、公道の上空をまたぐカット、イベント会場周辺の撮影など、完全な立入規制が難しいシーンでの撮影要請に応えられます。
- 主な案件例
- テレビCM・映画・配信ドラマの都市部ロケーション撮影
- 都市再開発エリア、大型商業施設の周辺街並みPR撮影
- 大規模イベント周辺(有人地帯近接)の記録・プロモーション映像
- 受注・発注単価相場
- オペレーター+カメラマン(2パイ体制/日): 15万〜35万円/日
- 1フライト単位(短時間撮影): 8万〜15万円
4. レベル4実証実験・配送・監視パトロール業務
第一種機体認証機との組み合わせによる「有人地帯での目視外飛行(レベル4)」の実運用、および先行自治体や物流企業の実証実験です。法的要件として一等保持者が必須となります。
- 主な案件例
- 山間部〜集落間、または離島・都市近郊における医薬品・日用品配送オペレーション
- プラント構内や広域インフラ施設における夜間・自律目視外パトロール
- スマートシティ実証事業の運航管理・パイロット業務
- 受注・発注単価相場
- パイロット・運航主任者派遣: 10万〜25万円/日
- プロジェクト委託(月額常駐・運航支援): 80万〜150万円/月
5. 登録講習機関(ドローンスクール)の一等指導員・審査員
一等講習を実施するスクールが増える一方、要件を満たす教官・実地審査員が不足しています。資格自体を直結させて確実な日当を得られる業務です。
- 主な案件例
- 登録講習機関での一等実技・学科講習インストラクター
- 修了審査(一等)の検定員業務
- 受注・発注単価相場
- 外部委託講師の日当: 3万〜6万円/日
- 一等修了審査員手当: 4万〜8万円/日
二等案件との単価構造の違い
| 項目 | 二等資格の案件相場 | 一等資格の案件相場 | 単価差の要因 |
|---|---|---|---|
| 一般的な日当 | 3万〜7万円 | 8万〜20万円 | 有人地帯飛行の法的責任、高度な手動操縦技能 |
| 競合状況 | 参入者が多く価格競争になりやすい | 保有者が限定され相見積もりで優位 | 参入障壁の高さ(機体認証・安全管理体制) |
| 発注元 | 中小工務店、個人、地元イベント | 大手ゼネコン、自治体、インフラ大手、TV局 | 入札要件・コンプライアンス基準の厳格さ |

